私たちたんとすまいるでは、
加害更生プログラムの終了をパートナーから認められた仲間を"卒業生"と呼んでいます。
たんとすまいるでは、DVの被害経験者であるパートナーが
”夫は二度と暴力を振るわないだろうと確信できかつ、
もし、万が一のことが合ったとしても私は大丈夫”と思えるようになって
はじめて更生プログラムを卒業することができます。
DV加害更生プログラムに対する日本における認識は、
今現在も「加害者は変わるはずかない」「暴力を振るわなくなることはない」、
よって「更生させることは無理である」という見解に基づいた懐疑的な見方が大勢です。
このような中において、
実際にたんとすまいるのグループに参加してパートナーから卒業することを
認められた仲間がいることは、私たちにはとても心強く希望が見える思いです。
先日、更生プログラムの一環として、
卒業生ご夫妻に体験談を語っていただけるという大変貴重な機会がありました。
普段グループで直接聞くことがないパートナー(卒業生の妻)の言葉について、
私が感じたことを書き留めて置きたいと思います。
今回パートナーが私たちに語ってくれたこと。
これまで彼女がDVによりどれだけ傷ついてきたのか、
そしてその傷はこれからも一生癒えることはないということ。
そしてそのうえで前を向いて自分の足で立って生きてゆくという自身の人生に対する決意。
私はそのようなパートナーが話す言葉のひとつひとつから
彼女の葛藤と暴力には決して屈しないという強さを感じました。
その中でも、私にとって一際印象に残った言葉がありました。
"被害者であることを手放す"
私はこの言葉に込められた意味を考えたとき、
夫から受けたDVに対して湧き上がってくる怒りや恨みなどの感情に立ち向かい、
回復へ向かって自分が努力してゆくという並々ならぬパートナーの決意を感じました。
そしてそのことはDV更生に取り組んでいる私にとって、
反省や後悔の念とともにとても心に響きました。
今回、体験談をお話ししてくださった卒業生とパートナーのふたりが
お互いに信頼している様子はとても輝いて見えました。
そしてその様なふたりを見て、私たちもきっと更生できるという思いを強く抱きました。