加害更生プログラムにおける秋の合同グループ実習で「ドリームマップ」というものを作成した。
ドリームマップとは、自分が将来なりたい姿をイメージし、台紙の上に写真や文字で表した夢の地図を描くものである。
各自が持参した写真や様々な雑誌の画像を切り取って、模造紙に張り付け、絵や文字でさらに色付けをする。
「自分が好きなものは何か」「やりたいことは何か」「自分はどのようになりたかったのか」・・・。あらためて、自問しながら、自身の人生を振り返りつつ、無心で作業する。ひととき、童心にかえった心地がした。
半日後、私のマップは、幼なかった頃の子どもたちが妻とはしゃぐ笑顔の写真であふれていた。誕生日に行ったレストラン。クリスマスのディズニーランド。夏休みはジャングル探検やサンゴ礁の海、噴火する火山へ。山頂でみる満天の星空。宇宙や秘境への冒険と未知への憧れ。未来に向かって自信に溢れた若々しい私がそこに居た。楽しかった。幸せだった・・・
このアルバムは、私自身の上質世界そのものである(家族といっしょにいたい、いろんな経験をしたい、という私の欲求の顕れ)。そして、私のエゴが生んだ過去の幻想でもあった。
今、私はあえて自分自身に「諦める」ことを思考する(日本語で「諦める」といえば、自分の願いごとが叶わずそれへの思いを断ちきる、という意味で使われるのが一般的だが、本来は、「つまびらかにする」「明らかにする」という意味であるという)。
毎朝、目が覚めると自室のベッドの前に貼られたドリーマップを眺める。
過去の自分への憧憬ではなく、自身を振り返り本当の意味で「諦める」ことを実践し、新たな自分に生まれ変わりたいと切に願う。
過去は変えることはできない。
しかし、過去に自分がしてきた過ちを明らかにして、相手の上質世界を満たすように自分の思考や行動を変えることはできる。
素晴らしい思い出とたくさんの夢を与えてくれた家族に心より感謝!!
いつか、また家族皆で笑えあえる日がくるように・・・。
まもなく還暦を迎える今日、明るく平和な環境で「笑顔の人生にうまれかわった自分」を夢にみた。
3-13