仲間からのアドバイス

グループで共に学ぶ仲間からのアドバイスのおかげで、今の僕があると日々感じながら生活しています。

 加害更生プログラムに参加して5年半、家族と別居してから5年が経ちます。現在の僕は月に一度、妻とは御手紙の交換、子どもとは面会交流をとおして、幸せを感じながら暮らしています。仕事もとても順調です。「たんとの仲間」の存在が僕の心の支えとなっています。

 

 でも、実はグループに参加し始めたころは、みなさんから頂いたアドバイスを取捨選択していました。自分が受け入れられる言葉だけを選んでいたのです。耳が痛い真摯なアドバイスほど、自分から遠ざけていました。

 「相手を見下していたのではありませんか?」とか「自己正当化してたのではないですか?」といった問いかけにはスルーし、「大変ですね、でも頑張ったじゃないですか」とか「お気持ちはよくわかります、自分もそうでしたから」という言葉だけ受け入れるような姿勢でグループに参加していました。ですから、みなさんから気づきのチャンスとなる言葉を何度いただいても、グループで振り返りを繰り返しても、再び対人関係において同じシチュエーションが起きたときに活かすことができませんでした。こんなにグループで学んでいるにもかかわらず、失敗を繰り返す自分自身にやきもきしていました。

 改善しなければならないポイントにフォーカスすることを避けていたので当然の結果ですが、当時の僕はポイントがずれていたことにすら気づいていませんでした。傲慢、優越、自己中心、わがまま、自分がそんな嫌な奴だということを認めたくありませんでした。よくよく考えれば、そのような価値観を改善すべく、加害更生プログラムに参加したのですが、その覚悟ができていないことにも気づいていませんでした。

 当時のことを思い返すたび、僕のために言葉を選び、考え、貴重な時間を割いてアドバイスをくださった仲間に対して「ごめんなさい」と思う気持ちでいっぱいになります。

 

 現在の僕は、振り返りでみなさんから頂いたアドバイスを参考に行動するよう心がけています。残念ながら僕は傲慢や優越などの感覚に自ら気づくことができていません。掘り下げて考えると、そのような醜い自分を認めたくないという気持ちが心の奥底に強くあるのだと思います。ですから、耳に痛いアドバイスには「そんなことはない」とか「本当に相手を傷つけようなんていう気持ちはありませんでした」などといった思考が働くのだと思います。大切なことは僕が相手を傷つける意思があろうが無かろうが、相手が不快に思うような言動は改める必要があると考えています。そのために僕は加害更生プログラムに参加しているのですから。

 

 また今日も僕にたくさんの気づきをくださった仲間に感謝しつつグループに参加しています。春はもうすぐそこまで来ています。新年度、グループでの「振り返り」自分の変化のために、おススメですよ。                

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